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モノしろ の 「し」

モノしろ の 「し」

モノしろ5

6月14日
朝。目が覚め、横になっている体を起こそうとする。
ズキっと痛みが走る。どうやら昨日のテニスで筋肉痛になってしまったようだ。
やはり日ごろ運動していないとだめだな。

登校途中、偶然紗代菜がいたので、一緒に登校することにする。
家が近いというのに、登校はあまり紗代菜と一緒ではない。
それは、紗代菜が悪魔のような早い時間に起きてさっさと学校に行ってしまうのが原因だ。
紗代菜:「ユウくんは、紗代のこと、好き?嫌い?」
優明:「え?」
紗代菜:「好き、嫌い、好き、嫌い・・・・・」
優明:(花占い!?)
もうすぐ学校に着くというところで長野にも出会った。
長野:「よう。朝から熱いな!」
紗代菜:「えっ長野くん、まだ6月だよ?」
わざと言っているわけではないようだ。
長野:「ん?紗代菜ちゃん、それなめねこストラップじゃん。うわぁ、なつかしいなぁー!」
長野が、紗代菜のカバンについているストラップを見て言った。
興奮しつつ、懐かしんでいる。一体いつの時代の人だ?そう思いながら俺もそのストラップを見ると・・・・
優明:「って、おい!!それ、なめねこはなめねこでも、なめくじねこじゃん!!何勝手にまぎらわしい略し方してんの!?このキャラわかる人いるの!?どこで手にいれたの!?NHK――!!」
紗代菜:「ユウ君、何でそんなに興奮してるの・・・・??」
紗代菜の言葉に、はっとし、自分を落ち着かせる。
懐かしさのあまり、テンションが相当あがってしまったようだ。

学校へ到着。休み時間。
くつろいでいると、委員長の金城がやってきた。
金城:「おは○う、高井。」
優明:「ああ、おはよう。俺になんか用か?」
金城:「いや、昨日の○ニス良かったよなー。って話だが。」
優明:「え・・・・○ニス・・??・・・ああ、あっあれね。ああ、楽しかったな。」
昨日は、金城と一緒にコートで試合をしたのだった。
金城:「お前の○ニスはすごかったぞ。だがな、あれは大きく振りすぎだろう。」
優明:「いや俺、ああいう風にブンブン振るのが好きなんだよ。ストレス発散できるし。」
金城:「んー、まぁ大げさな動作の方がよりエキサイティングにはなることは認めるが。あっそう○う、お前タマ二つどうしたんだよ?」
優明:「え?今あるけど・・・。」
金城:「な○で今持ってるんだよ。ちゃんと元の場所へ戻しておけよ?」
優明:「わかったわかった。ラケットの置いてあるところでいいか?」
金城:「いや、タマはあそこにある太い棒の下に置いとい○くれ。」
優明:「ああ、わかったよ。しっかしまぁ昨日の相手は強かったな。」
金城とダブルスを組んで試合をした相手は、ものすごく強かったのだ。もちろんボロ負けしてしまった。
金城:「あいつでかすぎだよ!やっぱ○ニスもでかい方がいいんだろうな。威圧感がものすごいぞ。」
優明:「でかさのせいにすんなよな、金城。大体、お前出すぎなんだよ!なんであんなに出るんだ!?」
俺が前衛だと言うのに、金城は前へ前へと出てきたのだった。
後ろでボールを待っていれば勝てたかもしれないものを。
それにしてもこの会話がなんだか危ないような気がするのは気のせいだろうか。

学校が終わり、帰ろうとする。
紗代菜:「もう、あなたしか見えないのよぉっ!!」
いきなり紗代菜に抱きつかれた。
優明:「お前・・・昨日なんかドラマでも見たろ・・・・。」
テレビかなんかの物語の真似に違いない。
紗代菜:「ううん、ユウ君の家にあったパソコンのゲーム。」
優明:「またそれか!!一体いつやっているんだ!?お前は!!」
俺が寝ている間に部屋にこっそり侵入しているんじゃないだろうな。
紗代菜:「そんなことより、一緒に帰ろ?」
はぐらかされたのか、特に意味はないのか。
優明:「わるい、今日はスーパーに寄っていかなきゃいけないんだ。紗代は今日はまっすぐ家に帰らなきゃダメだろ?ごめんな、一緒に帰れなくて。」
紗代菜:「あー、そうなんだ。スーパーいくなら、買ってきて欲しいものがあるんだけどっ!」
そう言って、紗代菜が俺にお金を渡す。
紗代菜:「リンスインシャンプーがきれちゃったんだー。紗代はいくとめんどくさいから、ユウくん買ってきてくれないかなぁ?」
優明:「パシリか俺は。ああ、いいよ。買ってきてやる。じゃあな。」
紗代菜:「うん、ばいばい。」
紗代菜と別れ、俺はスーパーへと向かう。

ピリリリリ、ピリリリリ。
スーパーに向かって歩いていると、俺の携帯が鳴り出した。どうやら紗代菜からのようだ。
なんだろう?ピッ
紗代菜:「もし模試もし模試?ユウくん?」
優明:「嫌なもしもしだな、オイ!・・・で、なんなんだ?」
紗代菜:「うーんとね、リンスインシャンプーを買ってくるというコトを、ユウくんがきちんとわかってるかなぁーって思って。」
優明:「分かってるよ、そんな念を押さなくても大丈夫だって。」
紗代菜:「うん、お願いだよ、リンスインシャンプーだからね。」
優明:「ああ。じゃあな。」
はじめてのおつかいじゃないんだから、頼まれたものくらいきちんと買ってくるさ。ガキの使いじゃあらへんで。・・・何か相当違うな。

しばらく歩いていると、ピピピピ・・・・と鳴り出す携帯。メールが届いたようだ。俺のメールアドレスはあまり多くの人には教えて無いし、メールがそんなに好きではないこともあって、メール等は滅多に届かない。
誰だ?受信ボックスを開いてみると、紗代菜からのメールだった。開いてみた。
『リンスインシャンプーを買ってきてね』
優明:「しつけェーーーーー!!!リンスインシャンプーを売り出している会社に洗脳でもされてるのか!!??分かってるよ!買ってくるから安心しろっ!」

そして、スーパーで買い物を済ませる。買った品物をレジへ持っていこうとすると、ピリリリリ、ピリリリリ。また携帯が鳴り出した。見てみると、また紗代菜である。
優明:「ああもう、なんだよ。」
紗代菜:「ユウくん、それ、リンスインシャンプーじゃないよ。」
紗代菜の声が俺にそう伝える。買い物籠を見てみると、シャンプーではあるが確かにリンスインではない。
優明:「ああ、あんなに言われていたのに間違って買うところだったよ・・・・ってなんで分かったんだ??」
紗代菜:「リンスインはこっちだよ?」
ぽんぽん、と肩を叩かれ、振り向いてみると、にこにことリンスインシャンプーを差し出す紗代菜が。
優明:「・・・・・なんで来てんだよ!!」
紗代菜:「えへ、心配になっちゃって。」
優明:「えへじゃねぇよ、そんなら自分で買えよ!はい、お金!!」
紗代菜:「うわーいお小遣いもらっちゃった♪」
俺に金を渡されて喜ぶ紗代菜。自分の金だということは・・・・覚えているんだよな??
なんてお馬鹿な娘なんだ・・・・。泣きたくなってきた。
紗代菜:「泣いてもいいよ、ユウくん。」
お前は心を読むんじゃねぇよ。

帰る途中。
優明「あれっ?500円玉が無い!?確かポケットにいれておいたはず・・・。」
俺の買い物のおつり、五百円。
ポケットの中を弄るが500円玉はそこにはなかった。
どこかで落としてしまったようだ。
紗代菜「ユウくんユウくん、あそこでお参りしていこーよ!」
近くにある神社を指さして紗代菜が言う。
お参りか・・・・。別に急いで帰らなければならないわけでもないので、俺たちは神社に立ち寄ることにした。

パンパン!
目をつぶってお願い事をする紗代菜。
目をつぶっている紗代菜をまじまじと観察してみると、やっぱりかわいいよなぁと思う。
本当のところはわからないが、実はクラスでもかなりモテているらしい。
優明:「なんてお願いしたんだ?」
紗代菜:「ずっとユウくんと一緒にいられますようにって。」
こりゃまた、随分と嬉しいな。
俺も何か言おうとしたが、紗代菜がはっと何かに気付き、スカートのポケットをさぐる。
紗代菜:「忘れてたよ、おさいせん!これ投げなきゃダメだよね?それーっ」
チャリン。
紗代菜の投げたお賽銭が賽銭箱へと投入される。
優明:「ちょっと待て。今、何を投げた?」
紗代菜:「え?500えん。さっき拾ったの。」
優明:「それはオレのだぁぁぁ!!!」
紗代菜:「ええっユウくんのだったのー!?」
優明:「ま、いいよ。別に500円くらい・・・。それにその願いなら叶ってくれると俺も嬉しいしな。」
紗代菜はにっこり微笑んだ。
紗代菜:「ユウくんは、何をお願いしたの?」
優明:「俺は・・・。人類が平和でありますようにと。」
あははっと紗代菜は笑って、遠くの方を見る。
紗代菜:「平和って・・・なんなのかなぁ。私は、ユウくんと一緒にいられれば、地球がどうなっていても、私の中では平和だよ。」
それは、人類が平和、というのとは違うが。
優明:「ああ、そうかもな・・・。」
平和ってのは、案外そんなものなのかもしれない。
今、俺の見ている景色は平和そのものだが、世界では、今も戦争や食料難で苦しんでいる人々がたくさんいるのだ。平和なんて、自分が見られる範囲だけの問題でしかないのかもしれない。
紗代菜:「ねぇねぇ、お守り買っていこうよ。」
突然、紗代菜がいいだす。そして、誰もいなそうなお守りを売っているところへとかける。
優明:「ったく、元気だなぁ。」
ゆっくりと歩き、追いついたときには、紗代菜はもうすでにお守りを買っているところだった。
そのお守りには、安産祈願と書かれている。
優明:「おい、そりゃぁ早すぎだろ!!!!????」
紗代菜:「そうかな?」
そうだよ。これは今買って、効果があるのか!?
紗代菜:「大丈夫だよ、きっとかわいい子が生まれるよ。」
誰の子!?
紗代菜:「さ、帰ろうー。」
結局紗代菜はお守りを鞄につけて、俺たちは神社を後にした。

結局紗代菜は、俺の家で遊ぶことになった。
そこらにほっぽらかしてあったポケモンのゲームを紗代菜が目ざとくみつけ、やりたいというのでやらしてやった。

紗代菜:「やったぁ、ヴァレリアヌス、ゲット!」
優明:「ヴァレリアヌス!?捕虜になったあの皇帝!?そんなポケモンいねェだろ!!」

紗代菜:「これなんて読むんだろ・・・?マスターベール??」
優明:「どれどれ・・・なんだよ、馬鹿。これはマスターボールって読むんだろうが。って欧米版!!??なんで欧米版を俺が持ってるの!?いつ買ったっけ!?」
紗代菜:「よぅーし、いけぇ~マスベーっ」
優明:「マスターボールだっつってんだろ!!略すなそれを!!!略すならマスボだよ!(下ネタやめろよ!!)」
白丸:「さわがしいな・・・。」
澄み切った男の声。振り向くと、白丸。
優明:「おお、白丸。久しぶりだな。」
本当はそんな久しぶりでもない。
白丸:「おひさ。紗代菜は、何をやってるんだ?」
優明:「ああ、ポケモンってゲームをやってるんだよ。白丸なんかには到底無理な高難易度ゲームさ。」
モノである白丸にゲームなどできるはずがない。すると白丸は怒ったように言う。
白丸:「なめないでください。死にます。」
優明:「ん・・・・それどっかで聞いたことあるような無いような・・・・って化学部の硫酸銅の容器じゃん(内輪ですね)。ちょっと違ったような気もするけど。」
紗代菜:「牛様ぁ~」(ケンタロスを見て拝みだす)
優明:「お前はヒンドゥー教徒だったの?」
紗代菜:「紗代はぶっきょう不器用だからぶっきょう仏教徒だよ?」
優明:「意味分からん。」
白丸:「プププ・・・・」
うけてる・・・・。

白丸「ポケモンやらせてくれないと、俺、爆発しちゃう。」
しばらく紗代菜がゲームをしているのを観察していた白丸が言った。
白丸に爆発されてはたまらない。
紗代菜からポケモンを奪い取って(「あぁっ!牛様ぁ~っ」)、白丸に託した。

白丸が「全クリした。」とか言って俺にポケモンを返してきたのは、夜中の2時のことだった。

Other view

暗い闇のなか。相変わらずコンピュータのモニタの光だけが部屋を照らしている。
「おい、まだなのか?」
一人の男が、低い声でもう一人の男に尋ねる。
「もうすぐ・・・だろう。そんなに急ぐ必要はない。その未来になる前に、実行すればいいだけのこと。」
落ち着いた調子で、苛立っている様子の尋ねてきた男をなだめる。答えた男は、前に少女と話していた男と同じ人物であった。
「時間のページをたどるだけでこんなにも時間がかかるのか?早いとこ見つけてちゃっちゃと終わらせようぜ。」
すると、少女がその部屋に入ってきた。そして言う。
「残酷、ダメだよ。実行するのは、貴方では無くて送られているモノたち。私達では、あそこへは行けない。」
残酷と呼ばれたその男は、かたをすくめる。
残酷:「はいはい、わかってますよ。へへへ、しずく雫お嬢ちゃんに怒られちまったぜ。はぁ、つまらねぇなぁ。刺激がないものかね、へっへ。」
少女が、困った顔でもう一人の男に向かって言う。
雫:「しんら新羅も何か言ってあげて。残酷、あんなこと言ってるよ。」
新羅は、そんなことなどどうでもいいというように、モニタを指差す。
新羅:「ほら、見てみるといい。こんなに魂が一度にきたよ。どの魂を選ぶか、決めなきゃね。」
雫:「本当―。大きな火事か何かでもあったのかなぁ。」

この三人は、神様だった。

Other view out

6月15日

朝。起きて登校する。(もう朝の描写なんてめんどくせーよ)
白丸は置いてきた。学園にあいつはあきらかに不必要だからな。
道を歩いていると、向こうから黒夢ちゃんがやってきた。
黒夢:「あ、優明さん、おはようございますっ!」
元気に挨拶をしてくれる。
優明:「おはよう。黒夢ちゃんは朝から元気だねえ。」
黒夢:「にこっそうですか?朝から優明さんに会えるなんて、私が元気になるのも無理ないですよーっ」
にこって声に出して言ったのはいいとして、一番気になるのは、黒夢ちゃんのつれているモノである。
優明:「で、黒夢ちゃん。その犬、どうしたの・・・?」
黒夢ちゃんは、小さなポメラニアンをつれていた。明らかに朝のお散歩であるが、紗代菜の家は犬は飼っていないはず。じゃぁ、こいつは・・・・?
黒夢:「ああ、ユウアキちゃんですか?この子は、紗代菜さんが一昨日買ってきたわんちゃんなんですよーっ」
うん。わかった。紗代菜が一昨日買ってきた犬なんだな。
だけど・・・名前が、今なんだか俺の名前に聞こえたのは気のせいかな。
優明:「この犬の名前はなんなの?黒夢ちゃん。」
一応確かめてみる。
黒夢:「ユウアキっていう名前なんですよーっ」
優明:「あのさ、俺とおんなじ名前だよね?」
黒夢:「あー、そうですねっ(にこにこ)」
これは犬のポメラニアンに人の名前を付けていることをなんとも思ってない笑顔!!
大方、紗代菜がふざけて俺の名前をつけたんだろう。琴音かよ。
注・琴音・・・ToHeartの超能力少女。犬を拾った。
優明:「ああもう、しょうがないなぁ。そろそろ行かないと遅刻しちゃうな。じゃあね、黒夢ちゃん。」
黒夢:「優明さんいってらしゃーいっ車とかに気をつけてくださぁーい。」

学校での休み時間。
もうすぐ期末テストであるので、英語のテスト勉強をしている金城を発見した。
優明:「おいおい、勉強家だなぁ。まだテストまで日にちはあるだろ?」
金城:「この星で、一等賞をとりたいんだーテストで俺はーーーー!!!」
・・・・夢はでかく、か・・・・。
金城:「なぁなぁ、高井。白のスペル○、どう書くんだっけ?」
優明:「スペルのあとの○は何だーーー!!???なんでそんなところに○があるんだーーー!!??(下ネタはやめてください)」

学校から帰る。今日は紗代菜が家に来るらしい。
あいつは俺よりちょっと早く帰っていたから、もう来ているかもしれないな・・・・。
そう思いながら玄関へ足を入れると、紗代菜の靴が。やはりもう来ている。
靴を脱ぎ、自分の部屋へ・・・。ドアのノブを回そうとノブに手をかけようとすると、中から声が。
白丸:「かわいい・・・ンコだね・・・・触ってもいい・・・・?」
・・・・なんだって?よく聞こえない。どうやら白丸の声らしいが・・・・?
紗代菜:「うん、いいよ・・・・?」
今のは紗代菜の声だ。白丸と紗代菜が俺の部屋で何かしているようだが。
白丸:「すごい毛だな・・・・・・・・よだれたらしてる。こんなに・・・・・。もう手がべちゃべちゃだ・・・・。全く、しょうがないな。」
白丸の声。何がなんだって?
紗代菜:「ちょっそんなに舐めないで~」
嬉しそうだな、紗代菜。白丸、何を舐めているんだ?え?
白丸:「・・・ふう、もう十分だな。・・・・・・・入れちゃっていいか?」
何を入れるんだ、白丸?
紗代菜:「ま、まだはやぃよぉ・・・。も、もっとかわいがってからでも、いいでしょ?」
白丸:「もう十分だって。」
紗代菜:「ええっあぁっ・・・入れないでぇ~~っユウくん~~~っ!!あぁーーっいやぁーーーっ!」
このままでは紗代菜が!!待ってろ紗代菜!って・・・まてまて。そんなこと白丸がするわけないじゃないか!黒夢ちゃんと白丸のこともあったし、また何かの誤解かもしれない!このノリで飛び込んでいって白丸を攻撃したら、またもや恥をかいてしまう。ここは・・・
白丸:「うわっ暴れるなよっ。」
紗代菜:「あぁっそんな強くしないでっ」
白丸:「あ、ごめんごめん・・・。」
紗代菜:「・・・・。」
紗代菜がおとなしくなった・・・・。ちょっと・・・・。大丈夫なのか?これは・・・。信じていいんだよな?白丸・・・!
紗代菜:「ぐす・・・っうぅ・・・ユウくん・・・・。」
泣いてないか・・・?紗代菜泣いてないか!?
白丸:「もう、このくらいで泣かないでくれよ・・・。・・・出す・・・・?」
紗代菜:「えぅっあぅっぐす・・・・、外に出して・・・。」
白丸さーん???もう絶対これ誤解じゃねぇよ!!でも前の一件があるし・・・。
紗代菜:「あぅ、おしっこぉ・・・・ああぁぁあ」
ちょろちょろちょろ・・・と音がしている、気がする。
白丸:「うわっこんなとこで!おぃ、これ優明にバレたら・・・・。」
もう我慢できない!!これは誤解なんかじゃない!!
優明:「白丸ゥゥゥ!!お前って奴はなんてことを!信じてたのに!」
バン!と扉を開け放ち白丸にとびかかっ・・・・・え?
白丸:「な、なんだよ、優明・・・っ!びっくりしたな。」
紗代菜:「ユウくん、どうしよぉー、ユウくんが、お漏らししちゃったよぉー。」
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ハテナマークが28個。(頑張って数えました)
そこにいたのは、またもや普通にしている紗代菜と白丸。
何もやましいことはしていない。
ただ一つ変わったことがあるとすれば、白丸に抱かれている犬・・・・。ユウアキ。
そして、そいつは今、排尿を終えたところだった。
紗代菜:「私、何か拭くものもらってくるっごめんね、ユウくん!」
そういって紗代菜は出て行く。
優明:「なあ、白丸。これは何?」
白丸:「かわいいワンコだろ?紗代菜のペットらしいぞ。」
うん、知ってる。
優明:「うわ、すごいよだれだな・・・。ポメラニアンってこんなにダラダラよだれをたらす犬なのか・・・!?」
よだれってのは文字通りよだれか!白丸の手はそのよだれで結構べちゃべちゃになっている。そしてポメラニアン、ユウアキはぺろぺろ白丸を舐めている。
白丸:「ちょっそんなに舐めるなよ~。」
・・・・。
優明:「入れるとかなんとか言ってなかったか?」
下に目をやると、そこには、犬のお出かけ用ハウスがあった。もしかして?
白丸:「ああ、紗代菜がな、こいつ(犬)をハウスに入れただけで泣き出しちゃってだな・・・。ほんと困った。ものすごいかわいがりようだな・・・。こいつ、お前の部屋で何かしでかしそうだったからハウスに入れとかないとまずいと思ってな。」
優明:「なあ白丸、もしかして、紗代はこいつ(犬)のことも、ユウくんと呼んでるのか?」
白丸:「ああ、そうらしい。最初俺もなんのことかと思った。」
パズルのピースがどんどんはまってゆく。それならあれらの台詞も説明がつく。
白丸:「このワンコはワンコでハウスに入れようとすると暴れるし・・・。そんとき力入れすぎちゃって、こいつちょっとやばかったかもしれん。」
暴れたのはこの犬か。
白丸:「紗代菜が泣いてしまったからしょうがなく出してやったら、この様さ。どうする?なかなか匂いとれないぞ?」
優明:「・・・もういい・・・・疲れた・・・匂いなんてどうでもいい・・・・」
犬のおしっこの匂いだと思わなければいいんだし・・・・へへへへへへ(狂
紗代菜が戻ってきて、ごしごし床をこする。
紗代菜:「ごめんなさいごめんなさい・・・・ご主人様・・・・。」
優明:「へ?」
紗代菜:「あっえっと・・・!?なんでもないよ、ユウくん!」
何!?今のは。
優明:「いいよ、もう大体綺麗になったし・・・。後は俺がやるよ。紗代は遊びにきたんだからさ。」
紗代菜:「うううぅーユウくん、優しいね。」
涙目の紗代菜。高校生にもなって泣き虫すぎやしないか。
紗代菜からティッシュをとりあげ、拭く。・・・・拭きにくい。なんでティッシュなんか持ってきたんだよ。母さんに雑巾とかもらえなかったのか??
匂いの強いそのティッシュの入ったゴミ箱を捨てにいこうとし、ちょうど台所にいた母親に声をかける。
優明:「なぁ、紗代菜が来なかった?なんでティッシュなんて渡したんだ??」
母:「あら、優明。やけに早いのね。え?紗代ちゃんが何か拭くものくださいって言ってきたからよ。」
優明:「・・・。いや、だから、なんでティッシュなんだよ?雑巾とかあるだろ?」
母:「なんでって・・・。やっぱりティッシュが基本でしょ?一応綺麗なのを渡しておいたけど、雑巾なんて、ムードが壊れちゃうわよ?」
何か勘違いしてやがる・・・・。何がムードが壊れるだ。
優明:「ちげーよ。紗代の犬が床を汚しやがってよ。」
母:「紗代ちゃんの犬って、優明のことかしら??」
意味がわからん。わざといっているのだろう。否定するのもめんどくさいので無言でその場を後にした。
母:「・・・優明、Mなのね・・・。」
母の呟きが聞こえたが、もうどうでもいい。

下ネタが多くなってまいりました・・・・。馬鹿ですかこの人。いいや、こっちの話。
部屋に戻ると、白丸が犬のユウアキと遊んでいる。この光景を女子がみたら悩殺モノだな。
優明:「なぁ、紗代、このまま部屋にいてもつまらないし、散歩にでもでかけないか?」
部屋にある扇風機で「ワレワレワ~~~~~~」っとやっていた紗代菜がこっちを振り向く。我々って・・・・一人じゃん。
紗代菜:「うん、そうだね!お散歩しようっ」

犬のユウアキも一緒に連れて行こうとしたが、白丸が「渡さない。」と俺たちを睨んでくるので二人で外へと出た。
空き地の前を通りかかる。
紗代菜:「ユウくん、覚えてる?紗代たち、この空き地で、小さいころよく遊んだよね・・・。」
・・・・紗代菜?
紗代菜:「・・・って、そんな気がするだけだけど。」
・・・・・・。
なんなんだ。そんな気がするって言うのは・・・・。
町内を一周し、家に戻ってきた。
相当長い道のりだった。当たり前の話だが。


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